作業療法士は一般的には身体のリハビリを行う職種ですが、精神科では、歌や手芸などの活動を用いて患者さんの心のリハビリを行っています。私は病棟担当の作業療法士なので、入院中の患者さんと直接関わりながら作業療法に参加してもらったり、ニーズがあれば身体のリハビリも行ったりします。病室や病棟から出ることを拒否する患者さんには、お部屋の中でできるレクリエーションなどを提供したりします。
また、入院患者さんは院外に出る機会がなくなってしまうので、バスでお花見に出かける等のレクリエーションを企画し、外に出て活動する機会を作ったりもしています。患者さんはとても楽しみにしてくださっています。一人で外出ができなかったり、食事や金銭的な問題などを抱えて入院している中ではどうしても制限があるので、そういったことから解放されてリフレッシュしてもらいたいと思っています。
カラオケや手芸、麻雀、パソコンなど、一般的には「娯楽」とされる行為を用いて治療することが、他の職種の方からの理解を得にくい場合があります。「ただカラオケをしたり手芸を楽しんだり、そんなことで精神疾患が良くなるの?」と言われることがあります。看護師、主治医など、周りを取り巻くスタッフの考えや意見が一致しない場合もあり、なかなか意見が取り入れられない時はもどかしさも感じます。そんな中でも、患者さんが私を必要としてくれて名前を呼んでくれたり、「誰にも言わないでね」と私にだけ相談してくれたりすると、頼りにされているんだな、とやりがいを感じています。
小さい子どもがいる方は、有給とは別に「子ども看護休暇」というお休みが取れます。子どもが病気になった時に使える有給です。子育て中の方にはとてもありがたい制度です。作業療法科のお休みは土日祭日なので、ほぼカレンダー通りです。休日は子どもとイベントに出かけたり、温泉に行ったりして過ごしています。
職場環境はとにかく働きやすく、みんな和気あいあいあとしています。わからない事や困っている時は、周りの方が率先して手伝ってくれますし、職種問わず誰でも声をかけてくれる温かい皆さんです。一人で抱え込んで悩んでいることはないですね。みんなが支えてくれます。
緑ヶ丘病院の皆さんはとても明るく、ひとことで表すと「愉快な仲間たち」でしょうか。職場の現場でありながらふとした時に素の部分が見えたり、メリハリがある皆です。病院全体のお祭りやイベントも多く、職場のスタッフの域を超えてプライベートも共にできるくらい仲が良いですよ。